滋賀県の1/6を占める琵琶湖。
日本一大きい「湖」として有名でありますが、「本当は、琵琶湖は川である」と言われたらいかがでしょうか。
不思議に思われると思いますが、実は、琵琶湖は川なのです。
琵琶湖って湖ではないの?このように思われる方は少なくないでしょう。
確かに湖で間違っていないのですが、、、法律上は川となってしまいます。ややこしい・・・。
「琵琶湖は川である」とはどういうことなのか、なぜなのか、解説をいたします。
琵琶湖は「川」であり「湖」である
結論から述べましょう。
琵琶湖は、一級河川(川)です。
しかしながら、湖であることも、間違いありません。
川であり、湖でもある、どういうことなのか。まずは、琵琶湖が川である理由を説明します。
琵琶湖が川である理由
琵琶湖は、河川法という法律上では、川ということになります。したがって、行政は、琵琶湖を川とみなして、管理をしているわけです。
琵琶湖が、法律上、川である理由は、河川法第4条第1項を確認するとわかるかと思います。下記、引用です。
この法律において「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したものをいう。
河川法第4条より引用
琵琶湖において、上記の条文を当てはめてみましょう。
まず「国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したもの」は淀川(水系)になります。
そして、それに係る河川が琵琶湖となります。
まとめると、琵琶湖は「淀川水系」に属する一級河川となります。「一級河川琵琶湖」と覚えておきましょう。
淀川にかかる河川として、例えば、木津川や桂川など、直接、淀川に注ぐ川だけでなく、野洲川や姉川など、琵琶湖に注ぐ川も当てはまります。野洲川や姉川も、淀川水系の川です。
ちなみに、法律の条文+αの知識により、滋賀県には二級河川がないということもわかります(準用河川はある)。
滋賀県のほとんどの河川は一級河川琵琶湖に流れ出るうえ、琵琶湖に流れ出ない県境付近の川も、一級河川木曽川か一級河川北川の支流となるからです。
似たような例はあるのか?
実はと言いますと、河川法によって、世間では湖とされているような湖沼が、川となる例は多々あります。
例えば、茨城県の霞ケ浦は、利根川水系に属しています。利根川水系霞ケ浦です。
また、日本一深い湖として有名な田沢湖は、雄物川水系に属しています。雄物川水系田沢湖です。
ほかにも同じような例が多くあるので、調べてみてください。
琵琶湖は滋賀県が管理
琵琶湖のほとんどは滋賀県が管理しています。
上図の通り、一級河川は、国土交通大臣が管理する指定区間外と都道府県知事などが一部の管理事務を行う指定区間に分けられます。
一級河川琵琶湖のほとんどは指定区間となるため、ほとんどが滋賀県の管理ということになります。
ただし、琵琶湖から続く淀川(瀬田川・宇治川・淀川)が指定区間外となります。そのため、瀬田川洗堰は、国土交通省が管理をしており、滋賀県が琵琶湖の水を止めることはできないのです。
参考記事:「「琵琶湖の水止めたろか」という滋賀県民!権利はなく、仮に実現できても滋賀県は水没!」(内部リンク)
世間一般では湖!
これまで、琵琶湖は一級河川であると述べてきましたが、琵琶湖は、世間一般では湖です。
基本的には、琵琶湖は湖であるという認識でOKです。
雑学として、琵琶湖は法律上では川であるということを頭の片隅に置いておくのがよいとと思います。
なお、滋賀県民の中には、琵琶湖のことを「海(うみ)」ということがあります。ややこしい…。
参考記事:「滋賀県は海なし県だが、琵琶湖という「海(うみ)」がある」(内部リンク)
琵琶湖に関する基礎知識
最後に、当記事で述べた事柄と関連にある、琵琶湖の基礎知識を記して終わります。