全国各地には方言が存在し、一地方だけで使われる言葉があります。
滋賀県は、主に関西弁とはなりますが、滋賀県だけで通じる言葉もあります。その一つが、「みざら」です。
滋賀県民が言う「みざら」とは、共通語で「すのこ」のことです。滋賀県民は、「すのこ」のことを「みざら」と言うのです。
滋賀県民である当サイト管理人は、滋賀県外へ行って、初めて、「みざら」は滋賀県の方言であり、共通語は「すのこ」であることを知りました。
「みざら」が共通語かと思っておりました。
ということで、今回は、「みざら」という言葉について取り上げます。
「みざら」って?
滋賀県民は、「すのこ」のことを「みざら」と言います。
木材を角材に打ち付けた製品です。「みざら」は、下駄箱や風呂場よく見かけますし、ベットに使われていることもあります。
ここで気になるのは、なぜ滋賀県民は、「すのこ」のことを「みざら」と言うのかということです。
実は、私もよくわかりませんでしたので、少し調べてみました。
まず、複数の辞書で「みざら」と引いてみましたが、残念ながら解説はどれ一つ載っていませんでした。
仕方がないので、次に、インターネットで「みざら」と検索すると以下のような解説が出てきました。引用します。
水皿(みざら)とは、畳の面と同じ高さに作られた、竹の簀子(すのこ)の入った流しをいいます。水皿は、直径三乃至五分位の丸竹を詰め打ち張りにした簀子を、銅板を舟底形に加工した落しの上に、取り外しができるように据えたものです。
「茶道入門」HPより引用
茶室における水屋にあるということでした。
他の地域に伝わるの?
滋賀県民である私は、「みざら」は全国共通の言葉だと思っていました。
しかし、どうやら、他都道府県の人たちは、(下記の通り例外はありますが)「みざら」とは言わず「すのこ」と言います。すなわち「みざら」は滋賀県以外の他の地域では伝わりません。
実際、滋賀県のお隣、京都府の知人も、「みざら」とは言わず「すのこ」と言っていました。といいますの、私は、以下のような実体験があります。
私の恥ずかしい経験
昔、京都の某施設に立ち寄った際、「すのこ(みざら)」から、釘が出っ張っているという様子を、私に言いつけてきた人がいました。
「ここ、少しとんがってるで」みたいな感じでした。
「私、この施設のスタッフではないのに・・・」と思いながら、その旨を施設スタッフに伝えに行ったときに、「みざらから釘らしこものが出っ張っている」と私は、述べました。
しかし、某施設の場所は京都です。周りにいる人は、京都人です。スタッフは、「みざら」という言葉を理解できません。
仕方がないので、私は、「玄関の床に敷いているもの」と説明したところ、相手方(京都人)は「あー。すのこのことね。」と答えてくれました。
後で聞いたところ、京都では「みざら」という言葉は使わないと説明してくれました。
私は、田舎者丸出しだったことに、恥ずかしいと思ったと同時に、カルチャーショックを受けました。
お隣の三重県や愛知県も特殊
ところで、インターネットで、「すのこ」について調べていると、名古屋・愛知方面では、「すのこ」のことを「ざら板」と言うことがわかりました。
また、三重方面では、「すのこ」のことを「さな板」ということがわかりました。
ネット情報なので、怪しいと感じ、三重県の「さな板」について、三重県出身の知人に聞いたみました。すると、やはり、「すのこ」のことを、三重県では「さな板」と言うとのことでした。
三重県全域で「ざら板」が通じるのかはわかりませんが…。
滋賀県のお隣の三重県も「すのこ」のことを、特殊な言葉を使って表現しておられることに、滋賀県民の一人として少し安心しました。
最後に
この記事を書きながら、小学校5年生の時の、昇降口掃除を思い出していました。
昇降口掃除の担当教員(O先生)が、学校一怖い先生だったからです。「みざらを上げろ!!」と言っていた先生の声が今でも思い出されます。
京都で「みざら」という言葉を使って恥ずかしい経験をしたということは前述のとおりですが、わたしは、「みざら」という言葉に誇りを持っています。
滋賀県南部では転入者が多いですので、転入者之方は、ぜひ、「みざら」という言葉を覚えていただければと思います。