今夏、参議院選挙が実施されます。私の居住地のある滋賀選挙区は与野党一騎打ちとなり、非常に興味深い選挙区であります。当記事では、夏の参議院選挙について、とりわけ滋賀選挙区について、若者の視点から展望します。
参院選の争点は何か
まずは参議院選挙の争点について少し考えてみます。
憲法改正について
やはり、これが一番の争点ではないでしょうか。安倍首相は、たびたび戦後レジームからの脱却という言葉を使われます。日本国憲法も戦後レジームの残像であるとお考えなのでしょう。ただ、日本国憲法が制定されて以来、まだ一度も改憲が実現していません。憲法を変えて戦後レジームから脱却し、レガシーを残したいというのもよくわかります。
一方、野党は能動的に憲法改正について議論をすべきではないでしょうか。反対一辺倒で批判だけをしても理解は得られません。首相の解散権の制約などを野党は主張していますが、こういったことを前面に押し出すべきでしょう。
一番議論になりそうな条項は憲法第9条ですが、本当に自衛隊明記だけでよいのか(若しくは変える必要がないのか)しっかり考える必要があります。憲法の議論に感情論など持ち込んではいけません。安全保障などの観点から本質に沿った議論をすべきだと思います。
今年にも憲法改正の国民投票が行われると思われていました。しかし、憲法審査会のいざこざなどもあり実現しませんでした。そのため、参院選後に、政府与党は民意を得たとして憲法改正に向けて進みだす可能性は高いと私は考えます。私たちも憲法について議論をすべき時期にきているのではないでしょうか。
経済政策について
日本では、右派と左派を安全保障の観点から分類するのが一般的です。しかし、それは日本だけであり、海外の多くの国では右派と左派を経済政策の観点から分類するのが普通です。
この点からよくわかるように、日本では、経済政策についてほとんど議論になってきませんでした。
しかし、今回の参院選では、増税前でもあり、経済政策についての議論が深まるのではないかと考えています(私の希望的観測)。アベノミクスの是非はどうなのか、アベノミクスに対する対案はどういったものかといった議論が盛り上がるとよいですね。
年金について
「老後資金は2000万円必要」などとした金融庁の審議会の報告書を、麻生副総理兼金融担当大臣は受け取りませんでした。この報告書を、政府与党はあたかもなかったかのようにふるまっています。これは、果たして適切なのでしょうか。
報告書を受け取らなかった背景として、2000万円という数字が独り歩きして、私たち庶民にとって現実味に欠ける数字だということがあるのでしょう。しかし、この試算は、多くの専門家が集う審議会で出されたものです。真摯に受け止めるべきものであることは言うまでもありません。参院選対策のためか、麻生大臣が報告書を受け取らないということは大きな問題ではないでしょうか。
野党は、上記の点について、麻生大臣の責任を追及していますが、問題の本質はそこではありません。「消えた年金問題」と絡めて追及もしていますし、参院選の争点にまでしようと考えています。これはいかがなものかと思います。
問題の本質は、今後の年金財政をどのようにしていくかでしょう。私のような若者の多くは、今後の年金財政は持たないと考えています。「年金は100年安心」などとうたわれても、若者は信用できません。やはり、貯蓄や資金運用などをして老後資金を貯めていくしかないのでしょうか・・・。
選挙では、報告書云々ではなく、年金そのものについて争点となるべきです。
2019年夏の参議院選挙滋賀選挙区
少し長くなりましたが、ここからは私の居住地のある滋賀選挙区について考えていきます。
候補者の顔ぶれ
以下の2人が立候補するとみられます。
二之湯武史氏
自民党の現職で当選1回の若手です。父親は二之湯智氏(参議院京都)ですが、滋賀県民における知名度は微妙です。以前、予算委員会で質問に立ってたような気がします。と思って、参議院のwebサイトを見てみると、予算委員会の委員をされていることがわかりました。そのほか、法務委員会、憲法審議会にも属しているということです。
嘉田由紀子氏
前滋賀県知事です(ちなみに出身地は埼玉)。全国で5人目の女性知事となりました。大戸川ダム建設凍結(後を継いだ現知事が最近容認)や新幹線の新駅計画破棄など実績を残しています。それゆえ、滋賀県民における知名度は抜群です。野党間での調整の末、嘉田氏は野党統一候補として今回の参院選に出馬します。
服部修氏
NHKから国民を守る党の新人です。インターネットを中心に選挙活動を行うそうです。
だれが当選するのか?
事実上、二之湯氏と嘉田氏の一騎打ちとなります。ただ、どちらが当選するかは今の状況ではわかりません。それほど接戦になるとみられます。自民党も今回の参院選において、滋賀選挙区を激戦区に指定しました。
ただ、あえて言うと、嘉田氏は以前の衆院選に無所属で立候補しましたが、自民党の現職に敗れています。過去の人と思われないように、知名度を活かすことが重要です。
一方の二之湯氏は、やはり知名度に問題があります。自分が残した成果や自民党の成果をしっかりと訴えることが重要になります。
あえて明言する
ここでは、当選者の予想をあえて明言します(かなり難しいことですが)。
ズバリ
二之湯武史氏
と予想します。
前述しましたが、自民党は滋賀選挙区を激戦区に指定しました。つまり、安倍氏や菅氏、小泉氏など党の幹部や人気議員の来県が予想されます。こういったことが、有権者に一定の影響を与えると思います。また、歳が40代ということなので、若さをアピールできることも強みと言えます。
ただ、いずれにしてもかなりの接戦が予想されます。当選しても、かなりの僅差となるでしょう。
なお、私が二之湯氏支持者であり、二之湯氏に票を入れることを意味しているのではありません。マニュフェストなどを確認し、今後、だれに投票するかを決める予定です。ご注意ください。
解散風?
永田町では、一時、解散風が吹き荒れたようです。すなわち、参院選に合わせて衆院選も行おうということ=ダブル選挙にしようということです。そのあと、どうやら、衆議院の解散は見送ったようですが、結局は首相の判断なので、どうなるかはわかりません。野党が不信任決議案を提出すれば解散するということも考えられるかもしれません。
2019年夏の参議院選挙滋賀選挙区の結果については、同じように当ブログで分析したいと思います。