NHKにおいては、テレビ・ラジオ同時放送(いわゆるサイマル放送)の番組がいくつかあります。テレビの音声をラジオで流すといった感じです。しかし、それだけではラジオリスナーの理解が難しい番組においては、ラジオ向けに解説が入ることもあります。また、テレビ・ラジオ同時放送ではありませんが、同じ現場から放送するというパターンもあります。当記事では、以上のような番組をピックアップしてみました。
テレビ・ラジオ同時放送の番組
では、テレビ・ラジオ同時放送の番組(ラジオで完全にテレビと同じ音声を流している番組)を紹介します。
NHKのど自慢
おなじみの歌番組です。歌声などを自慢したい一般人が、歌を歌って、判定してもらうという番組です。様々な地域のホールや会館などから、生中継で放送されます。
ラジオ(R1)では、テレビ(総合)の音声をそのまま流していますが、ラジオリスナーにとっても特に差支えはありません。ただ、あえて言うならば、少数ながら、ダンスパフォーマンスに力を入れている出場者がいます。ラジオでは、そのような出場者のパフォーマンスは見られないので、ラジオリスナーにおいては、その点は我慢してください。
1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭
ラジオリスナーの方はご存じだと思いますが、夏季巡回ラジオ体操・みんなの体操会や特別巡回ラジオ体操・みんなの体操会として、夏季やそのほかの一部日曜日は各地から生放送でラジオ体操が放送されます。これらは、6時30分からR1のみでの放送となります。
一方、NHK総合、R1ともにラジオ体操を中継する日が年に1回だけあります。それが、1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭です。朝6時30分から6時45分までの放送で、みんなの体操・ラジオ体操第1・ラジオ体操第2が実施されます。NHK会長やラジオ体操連盟会長などが参加するため、ラジオ体操の世界においては、一番のイベントです。
国会中継
NHKといえば、国会中継を思い浮かぶ方も少なくないと思います。国会中継もテレビ(総合)・ラジオ(R1)同時放送です。ラジオでも、質疑の内容はほとんど理解できると思います。というより、むしろ、ラジオで聞いたほうがより理解できると私は思います。ただ、質疑でパネルを使う議員がいますが、残念ながら、ラジオではパネルに何が書かれているのか把握することはできません(とはいえ、話を聞いていたらなんとなくわかります)。
なお、深夜に日中の国会中継で放送できなかった質疑の一部を放送するときがありますが、そちらもテレビ・ラジオ同時放送です。NHK関連の予算質疑についても、深夜から翌朝にかけて放送されますが、そちらもテレビ・ラジオ同時放送です。
首相記者会見
節目節目で、首相は記者会見を行います。実は、首相記者会見もテレビ(総合)・ラジオ(R1)同時放送です。そもそも、首相記者会見は、テレビとラジオ、別で放送する理由は何一つありません。パネルを使ったりしませんから。首相の表情をしっかりと観察をしたいのなら、テレビで視聴しましょう。
また、記者会見後に、テレビのスタジオで政治部等の記者が解説をしますが、その様子はラジオでも流れます。
臨時ニュース
大きな地震が発生したときなど、たびたび「チャラララ チャーラララ チャララララ」という音を聞くと思います。この音が鳴ったら、臨時ニュースを意味し、テレビ・ラジオ全派同時放送となります。ちなみに、大津波警報や津波警報が発表された際などに聞く、「ピロピロ~」という音は緊急警報放送の合図です。このおのが鳴った際も、全派同時放送です。
また、その他も、大規模な豪雨災害の際なども、テレビ・ラジオ同時放送となる場合があります。
個人的に思っているのですが、テレビとラジオで避難を促す方法は異なると思います。大規模災害が発生により、避難を促す放送は、テレビ・ラジオ別放送でもよい気がするのですが…。
テレビ・ラジオ同時放送だがラジオにおいて解説が入る番組
テレビの音声だけでは、ラジオリスナーが理解することや楽しむことが難しい番組もあります。そのような番組は、ラジオ司会などといった形で補足の解説が入ります。
NHK紅白歌合戦
紅白は、ラジオ司会(男性アナウンサ・女性アナウンサー各1人ずつ)がいます。テレビ(総合)で放送されている音声をそのままラジオ(R1)で流してもよいのですが、そうしてしまったら、リスナーは少し物足りないと思うでしょう。
なぜなら、素晴らしい紅白の演出を、ラジオではそれを体感することができません。そのような、聴覚だけでは得ることのできない情報を、ラジオ司会が伝えてくれるのです。
こちらも1点だけ物申したいのですが、普段のラジオの放送で全く聞くことのないアナウンサーが司会を担当されることが少なくないのです(もちろん、司会は上手です)。できたら、たびたびラジオで出演されるないしはニュースを担当されるアナウンサーを起用してほしいと個人的に思っています。R1はベテランアナウンサーが大活躍していますから。
ちなみにですが、途中のニュースは、テレビとラジオ別放送となります。ラジオは、いつもの通り、夜勤のアナウンサーが担当されます(2019年12月31日は火曜だったため、スポーツアナウンサー枠。鏡アナウンサーが担当されていたと思います)。
思い出のメロディー
思い出のメロディーというと、夏の紅白歌合戦という印象があります。
こちらも、紅白と同じような理由で、ラジオ司会が1名います。
日曜討論
時事の話題について、与野党の政策責任者同士や専門家同士で討論をするという番組です。こちらも基本的には、テレビ(総合)・ラジオ(R1)同時放送です。
日曜討論のオープニングは「トゥルトゥルトゥ トゥトゥトゥルルル~」といった音が流れます。その直後に、ラジオでは「日曜討論です」という音声が流れます。また、ラジオで、外国の首脳の話が流れる際は、通訳が入ります(テレビでは、映像のため、字幕です)。
同じ現場からテレビ・ラジオ共に放送される番組
同じ現場から、テレビ・ラジオそれぞれで放送されている(中継されている)番組もあります。それは、スポーツ中継です。テレビの実況・解説をそのままラジオに流すということは、まずできないでしょう。やはり、ラジオ実況はテレビ実況とは異なり、たくさんの情報を伝えねばなりません。テレビ実況をそのままラジオで流してしまえば、ラジオリスナーは困惑してしまいます。
具体例を挙げると、大相撲中継や高校野球中継などです。
放送時間は違うが、ラジオでテレビと同じ音声が流れる番組
最後に、長寿番組を1つ紹介します。それは、みんなのうたです。テレビは総合とEテレ、ラジオはR2とFMで放送されています。放送時間もまちまちで、流れる曲も時間帯によって異なります。ただ、ラジオでの放送は、テレビと同じ音声が流れています。
井上あずみさんのナレーション(「みんなのうたです」という声)は、テレビ・ラジオ共に、お馴染みですよね。
最後に(重要・・?)
テレビ・ラジオ同時放送の番組は、生放送であることがわかります。
では、テレビorラジオどちらの媒体を使うとより早く情報を知ることができると思いますか。正解はラジオです。ラジオのほうが、わずか数秒ではありますが、放送が速いのです。例えば、紅白歌合戦で少しでも早く歌手の歌を聞きたいと思われるなら、ラジオを聞きましょう。