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【NHKラジオ】3波から2波への整理・削減に反対する。

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NHKラジオ第一(R1)リスナーである当ブログ管理人のはしです。さて、NHKは、2021年度から2023年度における放送計画(案)を発表しました。その中で、音声波(ラジオ)の3波から2波への整理・削減ということが触れられています。これは、本当にあるべき道なのでしょうか。当ブログ管理人は「否」と言いたいです。今日は、ラジオの整理・削減について考えます。

現在は3波

ラジオ

3波とは何でしょうか。説明しましょう。

3波というのは、R1(ラジオ第一)・R2(ラジオ第二)・FMの3つを指します。3波と聞いて、難しい用語のように感じられた方もいらっしゃるかと思いますが、決して難しい話ではありませんね。

当ブログ管理人は、3波それぞれ特徴があると思っています。

R1(ラジオ第一)
テレビの総合テレビのような役割を果たしているのが、R1です。ニュースや情報番組、エンタメ、音楽などなど幅広い分野をカバーしています。「安心ラジオ」の中心を担うのも、R1です。なお、当ブログ管理人は、R1リスナーです。

R2(ラジオ第二)
テレビのEテレのような役割を果たしているのが、R2です。語学番組や教育番組が中心です。R2を聞いて語学を勉強している(した)という方も少なくないのではないでしょうか。

FM
音楽が中心です。伝統音楽やクラシックというイメージが強いという方もいらっしゃると思いますが、現代音楽も流れています。ラジオドラマも中心番組の一つです。


この3波体制は1969年に完成し、今現在まで、NHKラジオはこのような3波体制となっています。

3波から2波に

吹き出し

しかし、この3波体制が変わるかもしれません。NHK経営計画(2021-2023年度)(案)によると、音声波(ラジオ)の削減・統合に触れられています。その個所を引用します。

◎音声波は、2波(AM・FM)への整理・削減に向けた検討を進めます。
〇音声波はについては、民間放送のAM放送からFM放送への転換の動きや、聴取者の意向などを考慮しつつ、さらなるインターネットの活用を前提に、現在の3波(R1・R2・FM)から2波(AM・FM)への整理・削減に向けた検討を行い、計画期間内に具体案を示します。

「NHK経営計画(2021-2023年度)(案)」より引用

以上のように記されています。これを見ていたら、検討・具体案提示ということですので、おそらく2023年度までに2波になることはないとみられます。ですが、次の経営計画時に2波になるかもしれません。

ラジオをあまりご存じでない方もいらっしゃると思いますので、もう少し詳しく述べます。

AM放送からFM放送への転換の動き

民放では、2028年までに、AM放送からFM放送へ転換が可能になります。このような制度ができた所以は、AMは設備投資がかさむからです。したがって、ラジオ局からすると、大きなコストを要してしまうのです。一方で、電波が遠くまで届くといったメリットがあります(⇔建物内では雑音が入ることがある、電子機器の影響をうけやすいというデメリットもある)。

FMは低コストで、建物内でも比較的、高音質です。一方で、遠くまで電波が届かないため、FM放送に転換が進むのであれば、電波が入らない地域に対して何らかの対応が必要です。

こうした動きに便乗するということは、あってはなりません。NHKは、利潤ではなく公共の利益を最大化せねばなりませんから。

さらなるインターネットの活用

現在、NHKネットラジオのらじる★らじるを使って無料でNHKラジオを楽しめます。また、多くの番組では聞き逃し配信をしています。このように、NHKラジオではインターネットを活用した聴取者にとって便利なサービスがあります。

また、一部の聴取者は、ツイッターを使いながらラジオを聞くというようなことをしています。実際に多くの番組では、ツイッターで、「ハッシュタグ〇〇でつぶやいてください」などとMCの方々が促しています。

ラジオというアナログメディアとネットというデジタルメディアが融合しているとでも言いましょうか。ちなみに、私は、インターネットを活用するような聞き方はしていません。

果たして、さらなるインターネットの活用を前提にしてよいのでしょうか。インターネットを使えない人や使いたくない人(例えば私)もいます。インターネットコンテンツを豊富にすることはよいことですが、それがマイノリティを排除することになっては元も子もありません。

3波から2波への整理・削減に反対する理由

では、ここからは、当ブログ管理人が、音声波の整理・削減に反対する理由を述べます。

良質な語学・教育番組

詳しい情報は、まだ発表されていませんので、ラジオがどういう風に整理・削減されるのかよくわかりません。

ただ、おそらく、R2の番組にメスを入れてくると思われます。

前述のとおり、R2といえば、良質な語学番組や教育番組などが放送されています。実際に、R2の番組を聞いて勉強したという人も少なくないと思います。私も、中学生の頃に基礎英語を聞いていました。

果たして、こうしたラジオの語学番組・教育番組をなくす方向に進むのは正しい道なのでしょうか。

高価な教材を購入しなくても勉強できるのがR2における語学・教育番組のよいところです。「視聴者の利便性を損なわないことを前提とします」と経営計画案に書かれていますが、本当に利便性が損なわれないのでしょうか。例えば、Eテレの番組と合併するという策をとるのかもしれませんが、許されることではありません。FMで語学・教育番組を放送するということも考えられますが、日本列島隅々まで電波が届くわけではないので、FMで代替することもできないと思います。

緊急時の外国人への対応

緊急時(例えば大津波警報が出た時)、R2では、外国語により警戒を呼びかけられます。しかし、仮に、音声波が2波になった場合、そうしたことができなくなるでしょう(FMは遠くまで電波が届かない、AM1波では日本語で呼びかけるのに精いっぱい!)。緊急時に、十分に日本語を理解できない外国人に対して重荷を背負わせることはあってはなりません

なお、2波になると緊急時の対応全般に影響が出るからやめよ、という意見もありそうですが、日本人に対してはあまり影響はないとみられます。私が声を大にして言いたいことは、緊急時において、外国人に十分な情報が提供されないおそれがあるということです。

スリム化

収入が減少する中で、肥大化したNHKをスリム化するということが、今回の経営計画の大きな柱です。

では、1969年から現行の3波になっているラジオがNHKの肥大化に寄与していたのでしょうか。寄与度等が発表されているわけではありませんので、断定はできませんが、おそらく「否」だと思います。

とはいえ、聴取者が減っていることに鑑みると、確かにNHK側からするとラジオもコスト削減をせねばならないのかもしれません。しかし、いくらなんでも、3波を2波に整理・削減するということは早計だと言わざるを得ません。

最後に

いかがでしたか。NHKのスリム化を図る必要性は理解できますが、音声波にメスを入れるのはおかしいと言わざるを得ません。

NHKラジオのリスナーとして、音声波の3波から2波への整理・削減には断固として反対したいと思います。

参考資料
「NHK経営計画(2021-2023年度)(案)」(2020年8月8日閲覧)

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