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獣道を進み、旧佐和山トンネル(隧道)を見学。

2021年6月2日

旧佐和山トンネルと文字

滋賀県彦根市に位置する旧佐和山隧道(旧佐和山トンネル)の南側を見学してきました。ただ、旧佐和山隧道にたどり着くまでが非常に大変でした。とんでもない、獣道を進まないといけないからです。その様子も交えながら、旧佐和山隧道について述べてゆきます。

現在の佐和山トンネル南側からスタート

佐和山遊園跡

私は電車を利用してきました。彦根駅から15分ほど歩いたでしょうか(駐車場はありませんので、電車でのアクセスがおすすめです)。国道8号線に到着。早速、現在の佐和山トンネルが見えてきました。ただ、それよりもずっと目立つものが右側に見えます。

これは、佐和山遊園跡です。個人の実業家が、石田三成の居城である佐和山城などをモチーフに、1976年に着工しました。しかし、結局、未完成のまま、今に至っているのです。

旧佐和山隧道への道

佐和山トンネルへと近づいてきました。こちらからは、2つのトンネルが見えると思います。右側は、自動車専用の佐和山トンネルです。1953年に完成しました。

一方、左側は、自転車・歩行者のための佐和山自歩道トンネルです。こちらは、現・佐和山トンネルの交通量増加に伴う歩行者や自転車の方に対する危険を除去しようと、平成に入ったからつくられました。

しかし、今回行くのは、どちらのトンネルでもありません。これから行くのは、左側の道です(コンクリート舗装されたところ)。こちらが、旧道になります。

獣道をひたすら進む

旧佐和山トンネルに向かう道中の家

少し進みと、空き家がありました。廃墟化が進んでいます。この家の窓は、破壊されていました。空き家の隣には、納屋と思われる建物もありました。この空き家を通過すると、進んでいく道の状況が一気に悪化します。

旧佐和山隧道への道中

完全なる藪道です。こうした道が、続きます。トゲトゲの草や触るとかぶれそうな草がありましたので、長袖・長ズボンを着用することを強くお勧めします。手袋も着用推奨です。私は、これほどまでに藪が生い茂っているとは思っていなかったので、軽装で来てしまいました。後悔です。

足場もあまりよろしくありません。水が流れている場所もありましたので、濡れても問題ない靴を履いておくのがよいと思います。

旧佐和山隧道の道中にある廃車

途中には、複数台の廃車が放置されていました。なぜ、こんなところに、廃車が放置されているのか、私は知りません。もうここまで来ると、あと少しです。獣道が続きますが、最後の力を振り絞りましょう。

旧佐和山隧道に到着

旧佐和山隧道

藪をかき分けて、やっと、到着しました。結構長い時間歩いたかと思いきや、現在の国道8号線からの分かれ道から5分も歩いていません。上の写真が、旧佐和山隧道です。ずっしりと力強いつくりであることがわかります。

旧佐和山隧道は、滋賀県で数々の隧道を設計してきた、村田鶴の最初の作品です。1923年に竣工されたようです。

ただ、現在においては、大部分が、水没してしまっています。上の写真においても、左側に青みがかった水が見えると思います。

旧佐和山隧道扁額

扁額もしっかりと残っていました。

旧佐和山隧道

少し中に入り、振り返ってみました。これより先に行くと、私がいる側も水没していきますので、ここまでが限界です。トンネル内部のつくりがよくわかると思います。

さて、旧佐和山隧道ですが、私のいる南側から北側に直接通り抜けることができません。というのも、土砂によって埋まってしまっているからです。ただ、反対側から、扁額につきましては確認できるようです。

もう疲れたので、私は、反対側にはいきませんでした。なお、反対側は、現在の佐和山トンネルの上部にあるようです。興味のある方は、佐和山自歩道トンネルで反対側に抜けると階段が見えてくると思いますので(逆車線です)、こちらより、上ってみてください。もしくは、ここより斜面をのぼるということも考えられますでしょうか(多分、危険です)。自己責任でどうぞ。

最後に

佐和山自歩道トンネル
佐和山自歩道トンネルの内部

いかがでしたか。旧佐和山隧道を見に行きたいという隧道ファンの皆様におかれましては、長袖・長ズボン・手袋着用を強くおすすめします。また、濡れてもよい靴をはいてきましょう。

旧佐和山隧道が、心霊スポットという書き込みをみましたが、私からすると素晴らしい遺産であります。トンネルは閉鎖的空間ですので、重圧を感じるのかもしれませんが、私としては霊よりも大正時代の技術力を感じていただけることを祈っています。

  • この記事を書いた人

undecided

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