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滋賀出身「暮らしの手帖」前編集長の澤田康彦氏の講演を拝聴

文化・経済フォーラム滋賀第10回総会ビラ

文化・経済フォーラム滋賀第10回総会に行ってきました。その中でも、目玉は、やはり、澤田康彦氏の講演会です。澤田氏は滋賀県出身で、おなじみの雑誌「暮らしの手帖」前編集長です。「ふるさと、どんどん、ちかくなる 大好きなだいすきな近江」と題して、講演が行われました。

フォーラムの概要

文化・経済フォーラム滋賀会場

2020年2月11日に「文化・経済フォーラム滋賀第10回総会」が開催されました。私は、当フォーラムの会員ではありませんが、ある方のお誘いを受け参加いたしました(途中までは非会員でも参加できる)。会場は、琵琶湖ホテル3階「瑠璃」。宴会場として使われていそうな場所で、とてもきれいでした。

当フォーラムは、まず最初に、知事からのお話があり、次に、澤田康彦氏の講演がありました(後述)。その後、「文化で滋賀を元気に!」する提言発表、「2019文化で滋賀を元気に!賞」表彰式、びわ湖ホール声楽アンサンブル演奏会と続きました。ここまでは、非会員も参加することができました。

「文化で滋賀を元気に!」する提言

吹き出し

さて、当フォーラムで重要なのは、やはり、「文化で滋賀を元気に!」する提言発表だと感じました。そこで、今年の提言について触れておきたいと思います。

キャッチフレーズは、「文化で滋賀を元気に!多様な人材を育む地域活動の推進~アートを媒介として地域の人々をつなぐ地域コーディネーターの育成と活躍の場の推進~」です。以下、概要を示します。

滋賀に限らないが、少子高齢化や人口減少、コミュニティの衰退等により地域経済というものが衰退しつつある昨今、アートというものが重要である。ここでいうアートは、広義で、美術や音楽活動といったものだけでなく、まちおこしや地域活動、サークル活動といったものも含むようである。これにより、人と人とをつなぐと同時に地域が元気になるだろうる。そのためには、アートの可能性を理解している地域コーディネーターを育成すべきである。

少々長くなりましたが、とても大事なことだと思います。ただ、言葉だけでは終わらせてはなりません。アートの重要性を理解した人が実際に行動せねば意味がありませんから。…というより、若い私が何らかの行動をせよ、ということなのか・・・。

澤田氏の講演

文化・経済フォーラム滋賀パンフレット

当フォーラムの目玉は、滋賀県出身で「暮らしの手帖」前編集長の澤田康彦氏の講演でした。気に留めた事柄を記したいと思います。

滋賀について

日本地図における琵琶湖

澤田氏によると、若い頃は一刻も早く滋賀を出たかったということです。なるほど、今の若い人も、早く滋賀を出て、東京などの都会に行きたいという人も少なくないですからね。しかし、現在は、東京は自分らしさが失う故、嫌だということでした。その通りだと思います。東京というまちは、既に出来上がった都市であり、それに組み込まれることになりますから。

澤田氏は、知人250人くらいに滋賀の良いところを聞き、うち50人から返信を得たということです。個人的に印象的だったのは、「琵琶湖はUFOの聖地」「琵琶湖は列島のブラックホール」という表現です。日本列島の地図を見ると、琵琶湖はすぐにわかりますからね。また、「関西のようなそうでないような豊かな県」というような言葉も出てきました。嬉しいですね。関西はというと、京阪神の都会を思い浮かぶ方が多いですしね。滋賀は、程よく都会、程よく田舎といえます。

「暮らしの手帖」について

メモ

まず、澤田氏がおっしゃった言葉を一つ紹介します。

「美しいものは、いつの世もお金や暇とは関係ない」

最近の雑誌の論調を見ると分かりますが、儲けを出すのに精一杯な感がします。一方、「暮らしの手帖」は、72年間公告を一切入れず、一人ひとりの暮らしを大切にすべく、読者のために発行してきた雑誌だということです。大変恐縮ですが、私は、「暮らしの手帖」という雑誌を読んだことがありませんでした。というより、雑誌に悪い印象を抱いていました。しかし、この講演で、「暮らしの手帖」といった、大変健全な雑誌と出会う機会となりました。雑誌に対する私の印象は変わりました。

また、澤田氏は、「人は健全で面白い」と話されていました。それ故、人と会って、人を写すということです。東京中心のテレビでは、有名な芸能人が映されていますが、世の中はそのような人だけで成立していませんからね。トーク番組やバラエティー番組を見ていると、東京という価値観に組み込まれてしまうこともありますし(もちろんそうでないときもあるが)。トーク番組やバラエティー番組をほとんど見ない私にとって、非常に頷ける内容でした。

他にも様々なことをおっしゃっていて、私もメモをするのに必死でしたが、最後に、一番忘れられない言葉がありますので、紹介します。

「リーダーの最大の仕事は、次のリーダーをつくること」

澤田氏が、「暮らしの手帖」の編集者をやめた所以のひとつです。リーダーが大変素晴らしい人でも、いつかはやめることになります。それは、政治の世界にも当てはまります。安倍首相が非常に優秀でも?、いつかはやめねばなりません。しかし、次のリーダーが、しっかりした人でなければ、それは本末転倒だと言わざるを得ません。リーダーたる地位にいるものは、次のリーダを育成せねばならないということはその通りであると思います。また、「譲る」ことの重要性についても述べられました。ずっとリーダーでいると、おごりというものがでてきますしね。人間とはそういう存在です。そのような意味で、然るべきタイミングで、地位を譲ることも必要でしょう。

最後に

滋賀県

改めて、澤田氏の講演の題名は、「ふるさと、どんどん、ちかくなる 大好きなだいすきな近江」でした。澤田氏が「暮らしの手帖」の編集長のときに訪ねられて魅力的な地方について、また暮らしている人について話されました。澤田氏の話を聞いていると、題名通り、「ふるさとがちかくなった」ように感じました。近江の地はもちろん好きでしたが、さらに愛着を持てるような機会になったと思います。

  • この記事を書いた人

undecided

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