滋賀県情報

滋賀県は、自然公園面積割合が日本一です。いったいなぜ?

比叡山から見た滋賀県の写真と文字

皆さん、こんな事実をご存じですか?
滋賀県は、自然公園面積割合が全都道府県の中でナンバーワンである
本当かよとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、環境省の出している資料を見ると、確かにナンバーワンなんです。では、滋賀県のどこが自然公園なのか、なぜ滋賀県に自然公園が多いのか説明します。

自然公園とは

富士山
富士山は富士箱根伊豆国立公園の構成要素

自然公園は、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園の3つに大別されます。

国立公園は、「 同一の風景型式中、我が国の景観を代表すると共に、世界的にも誇りうる傑出した自然の風景であること」(環境省ホームページより)が指定の要件となっています。環境大臣が指定します。全国に30か所以上あります。

国定公園は、「国立公園の景観に準ずる傑出した自然の大風景であること」(環境省ホームページより)が指定の要件となっています。環境大臣が指定し、全国に50か所以上あります。

都道府県公園は、「都道府県の風景を代表する傑出した自然の風景であること」(環境省ホームページより)が指定の要件となっています。こちらは、前者の2つとは異なり、都道府県知事が指定します。全国に300か所以上あります。

では、都道府県自然公園面積の割合トップ5を紹介します。

順位都道府県名各都道府県の自然公園面積の割合
1滋賀県37.33%
2東京都36.46%
3三重県34.96%
4沖縄県34.12%
5埼玉県32.80%

(出典)環境省 環境統計書(平成29年版)をもとに作成

山があまり多くない都市部の地域がランクインしており、 私は少し意外な結果だと感じました。

滋賀県の自然公園

滋賀県の自然公園のデータ

滋賀県の自然公園を、国立公園・国定公園・都道府県立自然公園に分けてみていきます。まずは、環境省のデータを確認します。

滋賀県の自然公園割合の表

(出典)環境省 環境統計書(平成29年版)をもとに作成
(注1)単位はヘクタール
(注2)割合は滋賀県の国土面積401,738をもとに算出



データを見てわかる通り、実は滋賀県には国立公園はありません。ちなみに国立公園不在の都道府県は結構少ないです。北から順にあげていきますと、茨城、千葉、愛知、滋賀、大阪、佐賀の6県のみとなっています。

都道府県に占める自然公園の割合が日本一と言っていながら、実は一番格の高い国立公園がないというのが滋賀県です。滋賀県民である私にとっては少し複雑な思いです。とはいえ、素晴らしい自然がたくさんありますので誤解しないようにお願いいたします。

滋賀県の自然公園一覧

では、滋賀県の自然公園を紹介していきます。国定公園が2箇所、県立自然公園が3箇所あります。なお、図は登録箇所をおおまかに示しています。

国定公園(2箇所)

1,琵琶湖国定公園

青の部分が琵琶湖国定公園の指定箇所

琵琶湖国定公園の場所を示した図

1925年に国定公園に登録されました。実は、国定公園登録第1号です。登録範囲は琵琶湖とその内湖や比叡山・伊吹山などの周辺地域の一部、京都の宇治川周辺の一部です。国定公園の中で2番目に大きいとされています。

琵琶湖周辺では、近江八景や琵琶湖八景といった景色を楽しめるなど、多くの場所で美しい景色を見ることができます。また、琵琶湖畔ではヨシ群が形成されて、景観が美しいだけでなく、多くの魚類や鳥類の生息場所になっています。琵琶湖のは多種の固有種の魚類も生息しています。

2,鈴鹿国定公園

茶色の部分が鈴鹿国定公園の指定部分

鈴鹿国定公園の場所を示した図

1968年に登録された国定公園です。滋賀と三重の県境付近に位置する鈴鹿山脈が中心となっています。滋賀県では、多賀町、東近江市、日野町、甲賀市の三重県よりの場所が指定されています。

鈴鹿山脈周辺は気候の変化に富んでいるため、大変貴重な動植物が多種生息しています。植物については、高山植物やツツジやカエデ、ブナ林、その他の貴重な植物、動物については、ニホンカモシカやキリシマミドリシジミ、イヌワシなどなど自然豊かな場所でしか見られない動物が生息しています。

県立自然公園(3箇所)

1,三上・田上・信楽県立自然公園

黒の部分が三上・田上・信楽自然公園の指定部分

三上・田上・信楽県立自然公園の指定場所

滋賀県で初めて登録された自然公園です。1969年に登録されています。滋賀県南東部の山地を中心に登録されています。

周辺の山地は別名「湖南アルプス」として知られており、浸食により形成されて景色を楽しむことができます。三上山や金勝山(こんぜやま)、太神山(たなかみやま)といったところが有名どころです。信楽方面の山々も登録されています。

2,朽木・葛川県立自然公園

濃い赤の部分が朽木・葛川県立自然公園の指定部分

朽木・葛川県立自然公園の指定個所の図

1971年に登録された県立自然公園です。滋賀県の大津市葛川、高島市朽木を中心に構成されています。

山間をぬって安曇川が流れており、「近江の耶馬渓」と呼ばれる景色を楽しめます。花折断層が作った景色です。ちなみに「近江の耶馬渓」周辺では、鮎釣りをしている人を多く見かけます。また、朽木の生杉(おいすぎ)ではブナの原生林を楽しめるなど、自然に富んでいます。

3,湖東県立自然公園

紫の部分が湖東県立自然公園の指定部分

湖東県立自然公園の登録箇所

1987年に登録されました。滋賀県の中西部の地域に位置します。

芹川や宇曽川、犬上川の美しい景観を見ることができます。また、こちらの自然公園は何より、湖東三山や多賀大社といった歴史的に価値あるものを見ることができます。自然と歴史ともに楽しめます。

終わりに

滋賀県の国土に占める自然公園の割合が全国一位である理由は、滋賀県の六分の一を占める琵琶湖全体が国定公園に登録されているのが大きいと言えます。

自然公園内で作業をするとき、自治体に届け出が必要な場合があります。忘れないようにしましょう。自然を大切にすることももちろん忘れないようにしましょう。

  • この記事を書いた人

未だ定まらざる

滋賀県の地理・地形・土地利用などに関する動画をYouTubeで投稿しております。→チャンネル登録はこちらから

-滋賀県情報