滋賀県は海なし県(内陸県)です。全国で海なし県は、たったの8県しかありません。しかし、滋賀県には琵琶湖という「海」があります。「琵琶湖って海ではないだろ!!」このような声が聞こえてきそうです。しかし、地元では琵琶湖を「海」と言う場合があります。
海なし県とは
海なし県(内陸県)とは、海岸線を持たない県のことを言います。海に面していない県と考えたほうがわかりやすいかもしれませんね。
海なし県は、以下の8県です。
栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、岐阜県、滋賀県、奈良県
なお、北海道、東京都、京都府、大阪府は海岸線を持っているため、県だけが当てはまることになります。それ故、海なし県なのです。
しかし、滋賀県には、海の代わりに日本一大きな湖である琵琶湖があります。琵琶湖は県土の六分の一を占めます。
琵琶湖は「海」?
確かに、琵琶湖は海ではありません。なぜなら、琵琶湖には、一定水準以上の塩分を含む海水が存在しないからです。
しかし、琵琶湖は「海」の如く大きいです。場所によっては、対岸が薄っすらとしか見えない場所もあります。したがって、地元では、琵琶湖を「海」と呼ぶ場合があります。
ただ、本当の海ではないので、括弧つきの「海」となります。
次に、琵琶湖の異称に「海」という文字が入っていることを紹介します。
琵琶湖の異称は「鳰の海」や「淡海」
琵琶湖のことを、「鳰の海(におうのうみ)」や「淡海(おうみ)」と言われることがあります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
鳰の海(におのうみ)
「鳰」はカイツブリのことです。カイツブリは昔から、琵琶湖で多く見られました。それ故、古くは、琵琶湖のことを「鳰の海」と呼ばれていました。
なお、現在、カイツブリは滋賀県の鳥(県鳥)となっています。
※鳰(カイツブリ)と鳩(ハト)は間違いやすい字ですのでご注意ください。
淡海(おうみ)
淡海(あわうみ)は淡水湖のことを指します。この淡海(あわうみ)が転じて淡海(おうみ)となりました。
ご存じの方も少なくないと思いますが、かつて、都から見て、琵琶湖を近淡海(ちかつおうみ)と、浜名湖を遠淡海(とおつおうみ)と言われていました。そこから、近江(国)や遠江(国)となりました。
ピアザ淡海など、現在も、滋賀県では「淡海」という字を見ることがあります。
※現在、浜名湖は汽水湖(海水と淡水が混じり合っている湖)です。
「湖」を「うみ」と読む場合もある
滋賀県では、「湖」を「うみ」と読む場合があります。むしろ、このケースのほうが多いかもしれません。
例えば、私の出身校の校歌の歌詞に「うみ」という文言がありましたが、漢字にすると「湖」でした。
また、上で紹介した「鳰の海」。これを、「鳰の湖」にするとどうでしょうか?第一に、丘みどりさんの楽曲名になります。2018年の紅白歌合戦で、丘みどりさんは「鳰の湖」を歌われていました。滋賀県民の一人として、大感激しました。
第二に、「鳰の湖」(北の湖部屋→山響部屋)という四股名の力士がいます。もちろん、滋賀県出身です。もう一度幕内を目指して、頑張っていただきたいです。
琵琶湖は湖であり「海」であり川である
琵琶湖は(あくまで括弧付きですが)「海」だというお話をしました。
しかし、それだけではありません。琵琶湖はなんと川(一級河川)なのです。これは河川法という法律で定められています。
つまり、琵琶湖は、湖であり「海」であり川であるのです。ややこしいですね…。
参考記事:「琵琶湖は河川法上では川(一級河川)である。」(内部リンク)
最後に
いかがでしたか。滋賀県は海なし県ですが、琵琶湖という「海」があるのです。しかし、琵琶湖は海水ではありません。塩の味がしません。したがって、本当の海での海水浴が苦手という方は、ぜひ、琵琶湖で海水浴ならぬ湖水浴を楽しんでいただきたいです。